火災保険に入る理由
そもそも賃貸アパートの火災保険は何のために入るのでしょうか。目的としては家財の補償と部屋の原状回復という大きく2つがあります。家財の補償とは火災などの災害によって自分の所有しているパソコンやテレビ、冷蔵庫などの家電や箪笥などの家具に損害があった場合、火災保険によって損害に対する補償を受けることができます。部屋にある家具家電が火災によって壊れ、もう一度すべて買い直す場合には多額の資金が必要となりますが、火災保険に入っていればこれらの費用が保険によって賄われます。
日本では火災に関連する法律として、いわゆる失火責任法というものがあります。これは重大な過失がない火災においては損害賠償請求ができないというものです。つまり隣の家から火災が発生し、自分の家も火災に巻き込まれた場合でも損害を火元である隣の家に請求することはできず、火災の損害はすべて自分で何とかしなければならないという事です。
いくら日頃から火事にならないよう気を付けていても近隣の家の火事はどうしようもありません。そのようなもらい火で火災が発生しても大丈夫なように火災保険に加入する必要があります。
仮に自分が火災を発生させてしまい、近隣に燃え広がった場合でも失火責任法によって重大な過失がなければ、法律上の損害賠償を行なわなくてもいいのですが、例外があります。それは大家さんに対しての損害賠償です。アパートの賃借契約には借りた部屋を元通りにして返すという契約内容が基本的に記載されています。これを原状回復義務といいます。賃貸アパートの場合は火災によって損害が出た部屋を元通りにする義務があるのです。火災では多大なる損害を被る恐れもあり、大家さんへの損害賠償も多額になる可能性があります。そのような場合にも備えて火災保険には加入しておく必要があるのです。
入るか入らないか
賃貸アパート契約の際、ほとんどの場合火災保険への加入を求められます。原則として火災保険は任意での加入ですが、もしもの時の事を考え火災保険の加入は必ずしておきましょう。加入する際には保険内容が自分にあったものかどうかをしっかりと確かめる必要があります。一人暮らしで家具も少なく安価な部屋の場合はそれほど高額な補償内容の火災保険は必要ありません。一方で家族で高価な部屋を借り、立派な家財がいくつもあるような場合にはしっかりとした補償内容がある火災保険が必要となります。火災保険に自分で加入する場合も不動産会社から提供される保険に加入する場合も自分に合った火災保険かどうかをしっかりと確認して加入しましょう。